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刑事政策公開講演会 実施報告

2024年1月26日、刑事政策公開講演会を開催しました。

本講演会は、1982年以来毎年、日本刑事政策研究会及びアジア刑政財団との共催により実施しています。

第42回となった今回の講演会は、昨年同様、国内外の多くの刑事司法関係者に講演をお届けすることができるよう会場参加(法務省大会議室)とオンライン視聴のハイブリッドでの開催方式で実施しました。その結果、講演会当日は、会場参加80名、オンライン参加112名と、多くの方に御参加いただくことができ、各講演テーマに対する高い関心がうかがわれました。

講演会の 講師・演題

今回は、欧州保護観察連合及び英国刑務所監査局から2名の専門家を講師としてお招きし、それぞれ以下の貴重な講演をいただきました。

講演@
スティーブ・ピッツ氏
欧州保護観察連合担当大使
「実証的根拠に基づく実践と能力構築を通じた犯罪者処遇の強化」

講演スライドPDF

講演A
チャーリー・テイラー氏
英国刑務所監査局長
「イングランド及びウェールズの少年司法」

講演スライドPDF

講演の概要

ピッツ氏からは、国際協力を通じた犯罪者の更生と社会復帰の強化について、欧州の経験に則した実証的根拠に基づく実践と能力構築(キャパシティービルディング)に焦点を当ててお話しいただきました。また、能力構築において「何が機能するのか」と「誰(どのような人)が実施するのがよいか」についても紹介があり、最良のモデルは存在しないとしながらも、協力的、パートナーシップ的なアプローチ、共通のビジョンの作成と伝達、抵抗とリスク(例:ネットワイドニング)の特定と軽減など、10の成功要因について解説いただきました。

テイラー氏からは、イングランド及びウェールズの少年司法の概要について、自身が主導した2016年の少年司法制度の見直しも含めて紹介いただきました。また、イングランド及びウェールズの少年矯正施設に収容されているこどもたちの状況と、彼のチームが刑務所や少年矯正施設をどのように監査しているかについても解説いただき、暴力を減らすこと、目的を持った活動、職員とこどもの関係を改善することが、少年矯正施設に収容されているこどもにとって前向きな結果につながるだろうと述べられました。

いずれの講演も、SDGs目標16に掲げられた公平、平和、包摂的な社会を目指す上で、大変重要なテーマであり、各分野でご活躍の皆様が講演を通じて有益な知見を得られたことを願っています。


アジ研山内所長の挨拶

刑事政策研究会稲田理事の挨拶

ACPF 山下副理事長兼事務局長の挨拶

講演会場の様子

ピッツ氏による講演

テイラー氏による講演

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